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さとうきびペーパー
森林の保全に貢献。さとうきびの搾りかすは最適な紙原料
雑誌、コピー用紙、ティッシュペーパーなど、日常的に大量に消費されている紙の原料は、ご存知の通りほとんが木材。それも大部分は海外の森林を伐採して輸入しているものです。最近は環境に配慮して「古紙」配合のものが多くなりましたが、それだって元は同じ木材。こんなにたくさんの紙に囲まれた日本人の生活を考えると、「森は大丈夫なの?」と心配になりませんか。
何か木の代わりに紙の原料になるものはないだろうか、環境に負荷をかけることがなく、安定的に供給が可能で、しかも日本人が日常使っている紙の品質を損なわないもの・・・そんな理想の原料を捜し求めた結果、たどり着いたのが「さとうきびの搾りかす=バガス」でした。
農産廃棄物の有効利用
さとうきびは世界70カ国以上で栽培され、年間生産量は約12億トンにものぼる、世界第7位の農産物です。さとうきびは言うまでも無く砂糖の原料ですが、砂糖生産に必要なのはさとうきびを搾って得られる糖汁だけなので、硬くしっかりした茎や葉を持つさとうきびは、糖汁を搾ったあとに大量の残渣(搾りカス)を発生させることになります(この残渣がバガスと呼ばれています)。その量は、世界中で年間約1億トンにも上っています。
製糖工場では、廃棄物として大量に発生したバガスを再利用する工夫をしています。たいていは、ボイラーで燃やして発電したり、蒸気を発生させたりして、工場の機械の稼動エネルギーを自給しているのですが(バガス利用の現状)、それでも使い切れないほどバガスが発生してしまう大きな製糖工場があります。その余剰のバガスを再利用して紙を作ることができたら・・・

このようなすばらしいメリットを持った原料に出会い、私たちEFFの創設スタッフは長い年月をかけて、バガスを紙の原料として利用できる形にするために、さまざまな努力を続けてきました。

EFFとタイの製糖工場の協働で生まれた 『EPPCO社』
第3世界では、さとうきびの紙も木材の紙同様当たり前のように使われているのが見られます。世界でも10本指に入る紙の大量消費国・日本では、なおさらこのような紙が使われていくべきなのではないかという思いで、台湾、コロンビアなど世界のバガスパルプ製造工場と日本の製紙工場との橋渡しをしながら、バガスの普及を模索していくうちに、1997年、EFFはタイの大規模製糖会社カセット・タイ社と出会いました。カセット・タイ社にはバガスを紙の原料=パルプにする工場を建設する計画があり、EFFはそのコンサルタントとして共に事業を進めることになったのです。
そしてカセット・タイ社はパルプ製造会社『EPPCO社』を設立、2005年には製糖工場に併設したパルプ工場が完成し、稼動を始めました。現在、このEPPCO社製のパルプが日本にも輸入され、さまざまな用途に使われ始めています。(さとうきびペーパー商品一覧)
EFFでは、多くの環境問題への取り組みの一環として、このさとうきびペーパーの普及を推進しています。この紙を使う企業とのタイアップで、植林やその他の環境保護を行うプロジェクトも進行中です。
バガスを原料した紙・さとうきびペーパー、が少しでも多く利用されることによって、世界の森林問題、そして廃棄物処理に係わる周囲の環境汚染問題やエネルギー問題、これらの課題の解決にわずかでも寄与することができればというのが、私たちEFFの願いです。

バガス利用の現状
例えば、タイで調査した製糖工場では、年間700万トンのさとうきびを圧搾して70万トンのバガスが発生、そのうち50万トンを粗糖生産時、5万トンを白砂糖精製時に発電用燃料として消費、余った15万トンを製紙工場に売却しています。
また、インドネシアスマトラ島の製糖工場では、3工場併せて年間450万トンのさとうきびを圧搾して、その時排出されるバガスの75%を消費していますが、残り25%は工場脇に廃棄されています。その量は年間13万トン以上になり、年々嵩が増え続けています。13万トンのバガスは50mプール100杯分をゆうに超える量です。この地域には、バガスを利用する製紙工場や電力の供給を受ける工場がないため、余剰バガスを利用できずに放置せざるをえず、その結果として、水質汚濁等の公害を招く原因となっています。
一方、沖縄県のように、年間圧搾量10万トン以下の製糖工場では、排出されるバガスは燃料としてほとんど消費してしまいます。ボイラーも効率の悪い旧型を使用していることが多いのですが、余ったバガスの利用方法がなければ、ボイラーを新型にする必要もないでしょう。
燃料以外のバガスの利用としては、家畜の敷きわら、飼料、堆肥利用がありますが積極的な活用はなかなかみられません。近年、さとうきびを圧搾するかわりに茎を縦に割り、砂糖部分である芯部(髄=ピス)を削りとる方法(ケインセパレーター)が注目されています。砂糖の品質が向上するだけでなく、表皮からは有効成分を含むワックスを取り出すことができ、また、軟らかいピスは天然食物繊維として、ピスの外部であるラインド(硬繊維部)はパルプやボードに利用できます。砂糖を採るだけではなく、さとうきびを総合的に利用する、付加価値の高い亜熱帯農業が考えられています。
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